水銀灯代替LED投光器で後悔しない選び方

水銀灯更新時にLED選定で必ず失敗するケース
先に結論
  • ルーメン(lm)・消費電力(W)・価格(¥)だけでLED投光器を選ぶと失敗しやすい。
  • 本当に重要なのは、実際に届く光と、高温でも性能を維持できる安定した冷却です。
  • LED素子の特性と、照明器具としての寿命や冷却の実力は、分けて考える必要があります。

圧倒的に多い失敗は、「製品スペックの意味」と「LED素子の特性」を評価に含めず、

ルーメン(lm)消費電力(W)価格(¥)の3つで単純に比較選定してしまうことです。
LEDは「省エネで高効率」と思われていますが、実際には電力の約7割を熱に変換しています。
つまり、冷却が弱いLED照明は、スペック通りに光り続けない可能性があるということです。

LED素子で重要なポイント

  • LED素子は、発熱が大きい。
  • 高温になると、輝度が低下する。
  • 冷却の実力が、明るさ維持と寿命を左右する。

知ってなければならないLED素子の重要な2大特性は下記の通りです。

1.LED素子は、電力の7割を熱、3割を光に変換する

港湾などで見かけます黄色い光のハロゲンランプはご存知かと思いますが、ハロゲンランプは電気エネルギーの約3%を光エネルギーに、残り97%を熱エネルギーに変換します。ハロゲンヒーター目線なら約97%の高効率です。

LED素子は電気エネルギーの約30%を光エネルギーに、残り70%を熱エネルギーに変換します。意外だったかと思いますが、LEDは効率の悪いヒーターとも言えるくらいに熱を生むのです。

LED熱効率
2.高温になると輝度が落ちる

LEDは半導体素子であり、高温になると発光効率が低下する性質があります。LED素子の温度(ジャンクション温度 Tj)が上昇すると、同じ電力でも発生する光の量が減り、輝度が低下します。

一般的なLEDでは、Tjが約60〜80℃付近から発光効率の低下が現れ始めます。これがLED素子の高温による輝度低下です。

さらに冷却が追いつかず温度が上昇し続けると、

  • 約100℃付近:輝度低下が明確になる
  • 120℃以上:素子の劣化が急激に進む
  • 150℃前後:多くのLED素子の絶対最大定格

このためLED照明では、LED素子を高温にしない冷却が、明るさの維持と長寿命において非常に重要になります。


スペックの読み方について

製品スペックには、概ね下記のような項目が表示されていますが、何を示しているかご存知でしょうか?

LED投光器のスペック表によくある項目
  • 型番 / 品名
  • 器具光束(lm)他、多数(中略)
  • 寿命 / 光束維持時間(例:L70 50,000h)
  • 相当水銀灯・メタルハライドランプの目安

LED投光器の比較で最低限見るべき10項目
電気・省エネ
明るさ・照射
環境・耐久
注意・見落とし
  • 1. 消費電力(W)電気代や省エネ性の比較の基本です。
  • 2. 器具光束(lm)これだけでは実際に届く光は分かりません。
  • 3. 発光効率(lm/W)省エネ性能の目安。重要なのは届く光です。
  • 4. 配光タイプ現場適合性を左右します。
  • 5. ビーム角狭角か広角かで見え方は大きく変わります。
  • ★ 6. 照度(lux)
    【最重要】本来、これを見ないと公平な比較は不可能です。現場の床面や対象物に「実際に届く明るさ」を示す唯一の指標です。
  • 7. 色温度(K)光の色味。視認性や雰囲気に影響します。
  • 8. 保護等級(IP)屋外や水気のある環境では重要です。
  • 9. 使用周囲温度高温環境では特に重要になります。
  • 10. 寿命表示「何の寿命か」を分けて確認する必要があります。
見落とされがちな重要ポイント

1.寿命表示の注意点

「50,000時間」などの表記だけを見ると、照明器具の寿命だと思いがちですが、カタログの『寿命50,000時間』は、照明器具本体の寿命ではなく、光束維持時間、すなわち光源が初期値の70%に低下するまでにかかる時間(L70・50,000h)を指していることが多いため、照明器具本体の寿命とは分けて確認する必要があります。

つまり、LED照明の寿命は、LED素子を含む全ての電子部品を高温にさせない「安定した冷却ができているか」がポイントになります。

2.不快グレア指数(UGR)

UGRは、まぶしさによる不快感の指標です。数値が低いほどギラツキ感などのストレスが少なく体に優しい光になります。


明るさ、光を表す3つの重要数値、ルーメン・カンデラ・ルクスの意味

照明の見え方は、この3つの関係で決まります。

ルーメン・カンデラ・ルクスの関係図
単位 項目 内容
ルーメン (lm) 光源の光量 光源そのもの(裸電球)が放つ「光の総量」
カンデラ (cd) 光の強さ 配光設計により特定の方向(懐中電灯)に集中させた「光の強さ」
ルクス (lx) 明るさ 最終的に対象物(照らされた場所)に届いた「明るさ」

照明器具の設置目的である「対象物や空間」の明るさを知るうえで、一番重要なのはルクスです。


製品スペックだけでは照らす力が分からない理由

お気づきの通り、殆どのメーカーの製品スペックには、ルクス(lx)が掲載されていません。

LEDの寿命について

LED照明とは、LED素子を光源として使用した照明器具です。LED照明の寿命、すなわち照明器具として「点灯できなくなる状態」になる原因の最も多い理由は、高温による電子部品の故障です。

LED素子メーカーは、部品としてのLEDに対し、温度と寿命の関係を理論計算および実測データとして持っており、
その情報をスペックとして照明器具メーカーに提供しています。

つまり、LEDの寿命はあらかじめ「温度によってどの程度変化するか」が分かっており、
照明器具としての寿命は、その前提をもとにした設計と冷却性能によって決まります。

この関係は、LED素子メーカーが提供している基本データに基づいています。

LED照明の寿命と温度の関係説明図

LEDの寿命は、素子単体ではなく「温度」と「電子部品」を含めた構造全体で決まります。

LED素子は長寿命でも、LED照明が必ずしも長寿命とは限りません。

LEDは長寿命ですが、LED照明の寿命は電子部品で決まることが圧倒的に多い。
冷却構造
光の質と届かない光

理想の光は、単一光源の平行光

照明器具の歴史が目指している理想の光は日中の太陽光。太陽は1つ。単一光源で他の光と干渉しない平行光です。

多光源では、光干渉による見えにくさが起きる

複数の光源から放たれる光の微妙なムラやズレによって光干渉が起こります。これがグレア不快指数UGRの数値を押し上げるギラギラ感や、作業効率の低下や事故の原因となっている多重影を生んでいます。


では、皆さんに質問です。

ルーメン(lm)と消費電力(W)で、LED照明の能力が判断できるでしょうか?


  • LED素子が電力の7割を熱変換
  • 高温になるとLED素子の輝度が下がる
  • LED照明の寿命は電子部品を高温にさせないことが重要
結論:冷却が重要

その条件で、本当に必要な照度は成立しますか?

LED投光器は、ルーメンや消費電力だけでは判断できません。
設置高さ・照射距離・現在の照明・照らしたい範囲によって、実際に成立する構成は変わります。
現場条件に合うかどうかを確認したい場合は、下記の専用フォームからご相談ください。

現場条件に合うLED投光器の構成相談はこちら

この課題をどう解決できるのか

ここまで見てきたように、LED投光器の選定では、ルーメンや消費電力だけでなく、冷却の実力・光の質・単一光源かどうかまで見る必要があります。
アステカスーパーライトが、なぜ改善達成できたのか、どこが既存LEDと違うのかは、下記ページで詳しくご覧ください。

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